5/21 相互学習の話
3月から中国人の男性wさん(既婚者、弁護士、27歳、日本語中級以上、純粋)とほぼ毎週土曜日、相互学習をしています。
最初は2時間程度と言って始めたのですが、実際はお昼12時からだいたい夕方4時半ぐらいまで、会ってます。
日本での生活で、特定の人とこんな風に一対一でしゃべり続けること、しかも週一ペースで、というのは結構珍しいんじゃないかと思います。
無口で内向的な私も、上海ではなかなか濃い時間を過ごしていると思います。
もともと中国の人は何語を話してもマシンガントークになるんじゃないか、と思う。
話を聞くほうが好きな私もあまりのマシンガントークにずっと受身になっていると
イラだってくるので、できるだけ相手の話にテンポよく反応して、なんとか五分五分になるよう頑張ってます。
二人が同じタイミングで話したら、日本人だったら「あ、どうぞ」とか言って
相手に話の順番を譲ったりしますが、中国はそれがないので、タイミングがかぶったら、自分の声をもっと大きくする、とか常に「攻め」の姿勢で、無理やり入り込んでいかないと会話の波に乗れません。ゆずったら、たいていは、もう自分の話をする順番は回ってきません。
私は結構このwさんと話すのを楽しんでいます。
wさんは2年近くほぼ独学で日本語を学んでいて、wさんにとって、私は初めて話した日本人だそうです。wさんはもう中級レベルなので、結構普通に話せますから、色々普段疑問に思っていることなど、聞いたりしてます。
この前聞いたのは、中国人の中学生に色々日本の地理を紹介しているとき、
「ここには○○という世界遺産があります」と写真を見せても、写真には興味を持つけど、「世界遺産」という言葉にはあまりリアクションがない、という疑問点。
wさん曰く。
「世界遺産って誰が決めたんですか? え、ユネスコ? 我々中国人が決めたわけじゃないですから」
この一言で分かりましたよ。
これぞ中華思想。
そして日本人は「みんなが認めるもの、どこか権威のある機関が決めたもの」は間違いなくすばらしいはずだ、と何の疑いもなく思いやすいんじゃないか、と。
世界遺産と聞くと、日本のものなら誇らしく思うし、外国のものなら行ってみたい、と割とすぐに思うんではないでしょうか。
他に質問したことと言えば
中国ではお客さんがお腹いっぱい食べたかどうかがとても重要。だから食事はいつも大目に注文する。食べ残しがあってこそ、十分に接待できたと感じる。
私「中国は他のことは結構ルールがないのに、誰かに食事をもてなすときだけは色々決まりがあるんですね。」
wさん曰く。
「なぜなら、人生で何が一番大事ですか? ・・・・ ご飯だよっ!」
なるほど。
確かに中国の方は食べることが大好きだと思います。
またこの前中国語の「共有」という単語の意味が日本語の「共有」と違うのかな、と思って、この「共有」を使って、何か例文を紹介してください、とwさんに頼んだら、、、
訳すると
「夫婦関係が継続する期間は、夫婦は財産を共有する」
というような例文を書いてくれました。
ま、結局日本語の共有と同じだったんですけど、それにしてもこの例文、いつ使うんだよ、もっと簡単なのをお願いしますよ。。
wさんは離婚、相続関係を主に担当している弁護士さんなので、パッと思い浮かんだ文章がこれだったみたいです。
またwさんと話していると、学生の時に「漢詩」で反語(~だろうか、いやそんなことはない)を習ったことをしみじみ思い出します。
と、いうのも、実際の中国語もこの反語表現が結構あって、
「誰が話したの?」=いや、誰も話さない→そんな話、ありえない
「どこにある?」=いやどこにもない→あるわけない
と、いうような感じで、「だれ」とか「どこ」とか疑問詞が出てきて、決してそんなことはない、という意味を表す時があるのですが、
これが中国語ビギナーの私にとっては、会話で突然疑問詞が出てきて、「どうだい?」っと言わんばかりの目でじっと見られて、一瞬会話が止まると、、、
「え”、私、今 なにか質問されてる?」とドキっとします。
でも相手からすると、「そんな話がどこにあるだろうか」というようなことを言って、一瞬止まるのは、相手に「いや、ないだろう」という反語の返しを待っているんですよね、きっと。
そしてwさんから私が学んだこと。
==語学の会話の練習に教科書は要らない==
この一言につきます。
最初は、「相互学習の教科書、何かwさん持ってくるのかな?」と思ってたら、いつも手ぶらで来ていて、でも教科書の例文を練習するより、自由な話題でとにかく自分の言いたいことを話そうとすること、これが会話の練習の基本なんだ、と当たり前だけど、分かりました。
だからこそ、学校で中学生のクラスに会話を教えるとき、すごく困るんですけどね。。。
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